【ママ・パパ必見】今日からマネできる!保育士が実践する子どもへの声かけ術
										子育ての中で「うまく気持ちが伝わらない」「どう声をかければいいの?」と悩んだことはありませんか?そんなときに役立つのが、保育士が日々の現場で実践している“声かけのコツ”です。ほんのひと言の伝え方を変えるだけで、子どもの反応が変わったり、気持ちが落ち着いたりすることも少なくありません。
今回は、ママ・パパがすぐに取り入れられる、子どもへの声かけのポイントと避けたいNG例を、具体例とともにわかりやすくご紹介します。
子どもに声かけする際のポイント

子どもとの会話において、声かけに迷ったり、うまく伝わらないと感じたりすることはあるかもしれません。その場合、ちょっとした声かけの工夫をすることで、子どもの心に響く言葉を届けることができます。
ここでは、子どもに対して効果的な声のかけ方を6つの観点からお伝えします。
・子どもと目線を合わせて話す
大人が立ったまま話すと、子どもは威圧感を覚えて不安を感じることがあります。
しゃがんで目線を合わせることで、「自分と向き合ってくれている」と安心感を与えることができます。
【具体例】
・子どもが絵を見せてきたときに「わぁ、青をたくさん使ったんだね!」と目を合わせて伝える
・怒っている子には「どうしたの?嫌な気持ちになったのかな?」と優しく目を見て語りかける
・子どもの気持ちを受け止める
子どもはまだ自分の感情をうまく言葉にすることができません。そのため、泣いたり怒ったりして、体全体で気持ちを表現することがあります。そんなときにすぐに「泣かないで」「怒っちゃだめ」と制止してしまうと、子どもは「気持ちをわかってもらえない」と感じてしまいます。
まずは子どもの感情に寄り添い、その気持ちを受け止めることが大切です。子どもの言葉にうなずきながら耳を傾けた上で、ママ・パパが代わりに気持ちを言葉にしてあげると、子どもは「わかってもらえた」と安心し、少しずつ自分の気持ちを表現する力も育っていきます。
【具体例】
・転んで泣いている子に「痛かったね。びっくりしたね」
・おもちゃを取られて怒っている子に「取られて嫌だったんだね」
・具体的に褒める

「えらいね」「がんばったね」と褒めることは、子どもの心を育てるうえでとても大切です。ただし、それだけでは何が良かったのかが伝わらず、子どもが自分の行動をどう振り返ればよいかがわからないこともあります。
そこで効果的なのが、行動の内容を具体的に伝えて褒める方法です。どんな行動がよかったのか、どうしてうれしかったのかを言葉にすることで、子どもは自分の行動に意味を見出し、次につなげていく力を育てることができます。
【具体例】
・「おもちゃを片づけてくれたから、お部屋がきれいになった!うれしいな」
・「小さい子におもちゃを貸してあげて優しかったね」
・子どもが理解できる言葉を使う
大人にとって当たり前の言い回しでも、子どもにとっては抽象的でイメージが湧かない言葉も多くあります。例えば「ちゃんと」や「きちんと」といった言葉は、何をどうすればよいのかがわかりにくく、行動につながりにくくなってしまいます。
子どもには、目に見えるもの、体験したことのあるものを使って具体的に伝えることが効果的です。また、親しみのある絵本に出てくる言葉や言い回しを参考にすると、子どももイメージが湧き、具体的に理解しやすくなります。
【具体例】
・「ちゃんと整理して」→「ブロックを赤い箱に、ボールは青い箱に入れてね」
・「しっかり噛んで食べてね」→「30回噛んだらゴックンだよ」
・感謝の気持ちを伝える
子どもが自発的に行動したときや、誰かのために何かをしてくれたときには、「ありがとう」と感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。感謝の言葉は、子どもに「自分の行動が誰かの役に立った」という実感を与え、自己肯定感を高めてくれます。
また、ママ・パパが普段から感謝の言葉を伝えていると、子ども自身も自然と「ありがとう」が言えるようになり、人への思いやりや協力する気持ちが育ちます。
【具体例】
・「お皿を運んでくれてありがとう!すごく助かったよ」
・「お片づけを手伝ってくれてありがとう!一緒にできて楽しかった」
・子どもの自発性を尊重する
子どもは成長するにつれて、自分で考え、やってみようとする意欲が少しずつ芽生えてきます。そんなとき、ママ・パパが先回りして手を出してしまうと、子どもの「やってみたい」という気持ちが失われてしまうこともあります。
大切なのは、子どもの意欲を信じて見守りながら、必要なときにはやさしく声をかけてサポートすること。「できそうだね」「やってみよう」といった言葉は、挑戦する力や達成感を育てる助けになります。
【具体例】
・靴を履こうとしている子に「自分でできそうだね。かかとをトントンしてみようか」
・ブロックで高い塔を作っている子に「すごく高くなってきたね!どこまで高くなるのかわくわくするね」
子どもに声かけする際のNG例

普段の会話の中でつい口にしてしまう言葉が、知らず知らずのうちに子どもの心に負担をかけていることもあります。ここでは、「気をつけたい声かけ」と、子どもが前向きに受け止められる言い換えのヒントをご紹介します。
・子どもを否定する
「○○はダメ!」という否定的な言葉は、子どもの興味を削ぎ、自己否定感を生む原因になります。まずは肯定的に代案を提示するようにしましょう。
【OK例】
「〇〇もいいね、ママ・パパは~だからこっちがいいと思うな」
→子どもの選択を完全に否定するのではなく、別の選択肢を提案することで、素直に受け入れやすくなります。
・子どもを比較する
「○○ちゃんはできたのに」といったように他の子と比べられると、子どもは「自分は劣っている」と感じてしまい、自信を失ったり、反対に過剰なプレッシャーを抱えたりしてしまうことがあります。
比べるべきなのは、他の子ではなく“昨日のその子自身”です。ほんの少しでもできるようになったことや、頑張った姿に目を向けて、成長を認めてあげましょう。
【OK例】
「昨日よりも早くできたね!」
→その子なりの進歩や頑張りに注目する声かけが、前向きな気持ちを育てます。
・物事を強要する
「○○しなさい!」という命令口調は、反発や反抗のもとになります。大切なのは、「やらせる」のではなく、「やってみよう」と促すこと。
親が寄り添いながら声をかけることで、子どもも気持ちよく行動に移しやすくなります。
【OK例】
「一緒にやってみようか!」
→子どもにとって「命令」ではなく「協力」と感じられるような言い方にすると、自主的に動くきっかけになります。
・子どもを脅す
「○○しないと置いていくよ!」といった脅し文句は、子どもに不安感や恐怖心を与え、信頼関係を損ねてしまう可能性があります。
脅しではなく、「やると嬉しいことがある」と伝えたほうが、子ども自身が前向きに行動する動機につながります。小さな楽しみや、ごほうび的な要素を伝えることで、スムーズに動いてくれることも増えるでしょう。
【OK例】
「○○が終わったら、次は公園に行こうね」
→「やらないと罰」ではなく「やったら楽しいことが待っている」と伝える方が、気持ちよく行動につながります。
・性別のイメージを押しつける
「男の子なんだから泣かない」「女の子だから優しくしなきゃ」といった固定観念は、子どもの選択肢や可能性を狭めてしまいます。
性別ではなく、「その子自身」がどうしたいのか、何を感じているのかに目を向けて声をかけることが大切です。やりたい気持ちや挑戦したい気持ちを受け入れることで、子どもはのびのびと自分らしく育っていけます。
【OK例】
「○○がやってみたいなら挑戦してみよう!」
→性別にとらわれず、その子の意欲や興味に寄り添う言葉が、チャレンジする気持ちを応援します。
まとめ
子どもへの声かけは、日々のさりげないやり取りの中に自然と含まれています。忙しい中では意識するのが難しいこともありますが、ひと言の伝え方で子どもの安心感や自信につながることもあります。
うまく伝わらないと感じるときも、まずは気持ちに寄り添うことから始めてみましょう。特別な言葉でなくても、思いを込めたひと言が子どもの心に届きます。毎日の声かけを通して、子どもの成長をやさしく支えていきましょう。