学童保育とは?種類と公設・民設の違いや選び方を紹介
共働き家庭の増加により、放課後や長期休みに子どもを預けられる「学童保育」への関心が高まっています。特に小学校入学を控えた家庭では、「放課後はどうしよう」「夏休みはどこに預ければいい?」といった悩みを抱えるママ・パパも多いのではないでしょうか。
今回は、学童保育の基本的な仕組みから、種類ごとの特徴、メリット・デメリット、選び方のポイントまで、わかりやすく解説します。
目次
学童保育とは

学童保育とは、放課後や夏休みなどの長期休暇中に小学生の子どもを安全に預けることができる施設やプログラムのことです。子どもが小学校から帰ってきた後や、学校が休みのときに安心して過ごせる環境として、多くの家庭に利用されています。
施設内には「指導員」と呼ばれる職員が数人常駐しており、子どもたちの安全や行動を見守ってくれる体制が整えられています。
また、学童保育では、特に決められたカリキュラムはないことが多く、子どもたちは遊んだり、宿題をしたり、おやつを食べたりと、自由に過ごすことができます。集団生活の中での社会性や協調性を学ぶ場としても重要な役割を果たしています。
学童保育の種類

学童保育には、主に以下の3種類が存在します。それぞれの違いを理解することで、自分の家庭のライフスタイルに合った施設を見つけやすくなります。
・放課後児童クラブ
放課後児童クラブは、厚生労働省が管轄している学童保育で、主に保護者が就労していて家庭で子どもを保育できない小学1年生から6年生の子どもを対象としています。
運営時間は、平日であれば小学校の下校時刻から18時まで、土曜日は朝9時から17時までが一般的です。
地域によって細かな違いはあるものの、公的な支援が入っているため比較的低料金で利用できる点が大きな特徴です。
・放課後子ども教室
放課後子ども教室は、文部科学省が管轄する学童保育の一形態で、公立小学校に通うすべての児童が利用対象となります。
保護者の就労状況に関係なく利用できる施設が多く、学校の空き教室や公民館、児童館などで実施されるのが一般的です。
利用時間は平日の放課後から17時までが中心で、土曜日には開設されていないことがほとんどです。地域ボランティアなどが運営に携わる場合もあり、地域交流の場としての役割も持っています。
・民間学童保育
民間学童保育は、企業や学校法人などが運営している学童施設で、年齢制限や保護者の就労有無に関係なく利用できる場合が多いのが特徴です。
公的な学童保育と比べて利用可能時間が長く設定されており、平日は下校時から20時ごろまで、長期休暇中は早朝から深夜まで対応している施設もあります。
また、英語やプログラミングといった教育プログラムが充実している点も魅力で、単なる預かりにとどまらず学習支援の役割も担っています。
公設学童・民設学童のメリット・デメリット

学童保育を選ぶ際には、運営主体による違いを知っておくことが大切です。それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。
公設学童の場合(放課後児童クラブ・放課後子ども教室)
・メリット
公設学童の大きなメリットは、利用料が安いという点です。放課後子ども教室の場合は無料で提供されているケースもあり、家計への負担を抑えることができます。
また、地域の学校や施設が使われることが多いため、子どもにとっても慣れた環境で安心して過ごすことができます。
・デメリット
利用希望者が多い場合には定員に達し、入所できないことがあります。
特に低学年の児童が優先される傾向があるため、高学年になると入りにくくなるというデメリットもあります。
民設学童の場合(民間学童保育)
・メリット
民間学童保育のメリットは、利用時間が長く、保護者の就労状況にかかわらず利用できることが多い点です。夜遅くまで預かってもらえるため、フルタイム勤務の家庭にとっては非常にありがたい存在です。
また、教育プログラムが豊富な施設も多く、学習支援や習い事としての要素も兼ね備えています。
・デメリット
利用料は高めに設定されていることが多く、毎月の支出が大きくなる可能性があります。
さらに、運営者によって保育の方針や質が異なるため、事前にしっかりと情報収集を行うことが必要です。
学童保育の選び方
学童保育は、家庭の生活スタイルや子どもの性格、保護者の就労状況などに応じて慎重に選ぶことが大切です。以下のようなポイントを参考にしましょう。
・利用可能時間
学童保育を選ぶ際にまず考えたいのは、預けたい時間帯に対応しているかどうかです。
保護者の勤務形態によって、必要とする預かり時間は異なります。延長保育に対応しているかどうかも含めて、利用時間を確認することが大切です。
例えば、19時以降までの対応が必要であれば、民設学童のほうが適しているケースもあります。
・通いやすさ
子どもが日常的に通う場所であるため、自宅や学校からの距離や通学経路の安全性は重要なポイントです。
特に小学校低学年のうちは、安全に通える距離にあるかを重視すべきです。通所中に事件や事故に巻き込まれないためにも、立地は慎重に確認しましょう。
・利用料
利用料は家庭の経済状況に大きく関係するため、無理のない範囲で支払える施設を選ぶことが大切です。公設学童であれば、比較的安価で利用できます。
一方で、民間学童は月額で3万円を超えるケースもあるため、継続的な支払いが可能かどうかを事前に確認しておく必要があります。
・施設の雰囲気
実際に子どもを通わせる前に、施設の見学を行うことをおすすめします。子どもたちがリラックスして過ごしているか、スタッフが丁寧に対応しているかなどを観察することで、安心して預けられるかを判断する材料になります。
また、施設の清潔感や設備の安全性もチェックしておくと安心です。
まとめ
学童保育は、子育てと仕事を両立したい家庭にとって役立つ存在です。ただし、学童保育には複数の種類があり、運営主体によって内容や条件、利用時間、費用などに違いがあります。それぞれの特徴を理解し、自分たちの生活スタイルに合った施設を選ぶことが大切です。
また、通いやすさや施設の雰囲気も確認しておくと安心です。子どもが落ち着いて過ごせる環境かどうかを見極めることで、家庭全体の負担も軽減されます。納得できる施設を選ぶために、事前の情報収集や見学を心がけましょう。