高位破水とは?通常破水との違い|放置した場合のリスクと早めの対処法
妊娠後期はさまざまな体の変化が現れるため、異変に気づきにくくなりがちです。特に「高位破水」は見逃されやすく、放置すると危険を伴うこともあるため注意が必要です。なかには、気づかないまま1週間過ごしてしまうケースもあります。今回は、高位破水の特徴や見分け方、放置した場合のリスク、正しい対処法を解説します。
目次
高位破水の特徴と通常の破水との違い

高位破水とは、妊娠中に赤ちゃんを包んでいる卵膜が「子宮口よりも高い位置」で破れ、羊水が少量ずつ漏れ出てしまう状態を指します。一般的にイメージされる破水とは違い、一気に大量の羊水が流れ出ないのが特徴です。
高位破水の場合、漏れ出る羊水の量はごくわずかで、尿漏れやおりものと間違えてしまうことがあります。色は透明、もしくはやや乳白色や淡い黄色で、サラサラとした水のような感触です。匂いはほとんど無臭、もしくは人によってはわずかに生臭さを感じる程度とされています。
また、少量ずつ長時間にわたって流れ続けるのも特徴で、本人の意思で止めることはできません。下着が常に湿っている、ナプキンが何度も濡れるといった状態が続く場合は注意が必要です。
一方、通常の破水(完全破水・低位破水)は、子宮口近くで卵膜が破れるため、多量の羊水が一気に流れ出ます。立っていられないほどの水量が突然出ることも多く、「破水した」と自覚しやすいのが違いです。
高位破水と尿漏れ・おりものの見分け方

妊娠後期は尿漏れやおりものが増えやすく、高位破水との見分けが難しいことも少なくありません。判断に迷ったときは、以下の3つがご自身に該当しないかを目安にするとよいでしょう。
・色や性状
高位破水の色は、透明またはやや乳白色・淡い黄色で、水のようにサラサラしています。一方、おりものは白っぽく、粘り気があるのが特徴です。尿漏れは無色から黄色で、下着にしみるように広がります。
・匂い
高位破水はほぼ無臭、もしくは軽い生臭さ程度です。尿漏れの場合はアンモニア臭を感じることが多く、はっきりと違いが出ることがあります。
・自分で止められるかどうか
尿漏れは咳やくしゃみ、笑ったときなど腹圧がかかった瞬間に起こり、力を抜くと止まることがあります。しかし高位破水は意思とは関係なく、時間を置いても繰り返し流れ続け、止めることができません。
とはいえ、実際には判断がつきにくいケースも多いため、「水っぽい」「いつもと違う感じがする」と少しでも不安を感じたら、迷わず産婦人科に相談することが大切です。
高位破水の原因

高位破水は、明確な原因を特定できないことも多いものの主な要因として、次のような点があげられます。
・感染症
カンジダやクラミジアなど、膣内や子宮頸管の感染があると、細菌が卵膜に炎症を起こし、膜が弱くなって破れやすくなります。
・腹圧の上昇
重い物を持つ、激しい咳が続く、便秘で強くいきむなど、腹部に強い圧力がかかることで卵膜に負担がかかる場合があります。
・性行為
物理的な刺激や感染のリスクが関係し、高位破水のきっかけになることがあります。医師から安静を指示されている場合は、特に注意が必要です。
・喫煙・受動喫煙
血流や胎盤機能に影響を与え、卵膜の強度が低下する可能性があります。
・多胎妊娠
子宮が大きく張りやすく、卵膜への負担が増えるためリスクが高まります。
・高齢出産
卵膜や子宮組織の弾力低下が関係する可能性があると考えられています。
高位破水はひとつの原因だけで起こるというよりも、複数の要因が重なって起こるケースが多いとされています。
気づかないまま1週間放置した場合の母子へのリスク
高位破水に気づかず、1週間以上放置してしまうと、母子ともにさまざまなリスクが高まります。
お母さんのリスク:膣からの子宮内細菌感染
発熱や腹痛、強い張りが出ることもあり、重症化すると母体にも大きな負担となります。赤ちゃんにも感染し、胎児機能不全に至るケースもあり得ます。
赤ちゃんのリスク:臓器形成異常、流産、早産
羊水が徐々に減少していくと、赤ちゃんは子宮内で動きにくくなってしまいます。その結果、胎位異常や赤ちゃんの身体にへその緒がからまるなどして、胎児機能不全の危険が高まります。加えて、腎臓の形成異常や発育遅延、流産や早産につながるリスクが指摘されています。
高位破水の兆候があるにも関わらず、「妊娠後期や出産直前だから」と様子見するのは危険です。破水から時間が経過すると、上記のリスクに加えて、赤ちゃんが羊水感染を起こし、肺炎や肺血症などの重篤な感染症を発症する危険性があります。放置は母子に非常に大きなリスクを伴うため、なにかしらの兆候がある場合は必ず産婦人科を受診しましょう。
高位破水が疑われるときの正しい対処法
「下着が普段より濡れやすい」「止められない水分が続く」「無臭、または淡い生臭さの液体が出る」と感じたら、高位破水の可能性を考えましょう。少しでも違和感があれば、自己判断せず産婦人科を受診することが重要です。
産婦人科では、漏れている液体が羊水かどうかを検査し、必要に応じて超音波検査や内診を行います。高位破水と診断された場合、妊娠週数や赤ちゃんの状態によって、入院管理になることもあります。
感染予防のために抗生剤が使われたり、子宮収縮を抑える薬が処方されたりすることもあります。状況によっては、出産を早めるための誘発分娩や帝王切開が検討されるケースもあります。
早めに受診することで、母子のリスクを最小限に抑えることができます。不安な気持ちを我慢せず、相談する勇気が赤ちゃんを守ることにつながります。
まとめ
高位破水は少量ずつ羊水が漏れるため、尿漏れやおりものと間違えやすく、気づかないまま1週間過ごしてしまうこともあります。しかし放置すると、母子ともに深刻な感染や発育リスクが高まります。「いつもと違う」と感じたら、迷わず産婦人科を受診することが、赤ちゃんと自分を守る一番の近道です。