赤ちゃんとメディア(テレビやスマートフォン)、どう付き合う?

テレビやスマートフォンは現代生活に欠かせません。けれど、赤ちゃんにテレビやスマートフォンをいつごろから見せるのかは、難しい問題ですよね。
今回は赤ちゃんの目や脳の発達について解説しながら、テレビやスマートフォンといった身近な電子映像メディアとの正しい付き合い方を紹介していきます。
赤ちゃんにテレビは見せない方がいい?視力の発達プロセスと共に解説
最初に赤ちゃんの目の発達のプロセスを解説しながら、メディアが与える影響を説明します。
結論からいうと、赤ちゃんにとって、メディアは絶対に見せてはいけないものではありません。大人がテレビを見たいように、赤ちゃんもいろいろな映像が映し出されるメディアが大好きです。
ただし赤ちゃんの目の機能や視力は、大人と違ってまだまだ未発達です。生まれたばかりの新生児の目はまだよく見えておらず、生後1カ月前後は0.01~0.02程度の視力しかありません。
赤ちゃんの目の機能は生まれてから、まわりの影響を受けて徐々に発達します。生後5ヶ月になるころには視力が0.04前後になり、1歳を迎える頃にようやく0.2前後まで向上します。
順調に発達すれば3歳頃までに視力が1.0近くまで伸びるものの、小さな赤ちゃんはパパやママの顔、おもちゃなどの身近なものを見るのがやっとです。無理にメディアを見せるのではなく、健やかな目の発達を見守ってあげましょう。
メディアの接触よる赤ちゃんへの影響とは?
日本小児科医会では、2歳頃まではテレビ・スマートフォンなどのメディアの視聴を控えるよう提言しています。
これは日常的にメディアを長時間見ている子は、そうでない子と比較してコミュニケーション不足による発達の遅れがみられるというデータがあるからでしょう。具体的には、言語の発達が遅れる、表情が乏しくなる、まわりのお友達との交流が苦手になるといった問題が起こりやすいと指摘されています。
また目の機能が十分に発達していない赤ちゃんがメディアを長時間視聴していると、目に負担がかかり、視力が悪くなることを指摘する意見もあります。
赤ちゃんがメディアに遭遇したら
絶対ダメとはいえないまでも、不安がある場合は、小さな赤ちゃんにテレビやスマートフォンをできるだけ見せないほうが無難です。
とはいえ、子育て中のパパやママだってたまにはテレビや動画を見て、リラックスしたいですよね。上に兄弟がいる場合は、赤ちゃんだけテレビなどを見せないのは難しいでしょう。
繰り返しますが、赤ちゃんにとってメディアは、絶対見せていけないものではありません。発達の遅れが懸念されるのは日常的に、長時間、見続けたケースです。日本小児科医会はすべてのメディアへ接触する時間を制限する事が重要とし、1日2時間までを目安と提言してます。ルールを守って視聴させることがとても大事になります。
赤ちゃんにメディア見せる場合は1日あたりの視聴時間を決めて、だらだらと見せっぱなしにしないのが基本です。内容も刺激的なものは避け、音楽などで体を動かせるもの、遊びに誘いかけて心身の発達を促すコンテンツを選びましょう。
家事や仕事で手が離せず、テレビやスマートフォンに頼りたいときもありますよね。赤ちゃんは1歳前後からテレビなどに興味を持ち始めるものの、育児をテレビやスマートフォンに任せるのは考えものです。
忙しいときでも赤ちゃんのメディア視聴はできるだけ短時間で切り上げ、連続視聴は避けると良いでしょう。見せたらそのぶん親子の触れ合いタイムを取って、コミュニケーション不足を補ってあげてくださいね。
まとめ
大人にとって当たり前のものでも、赤ちゃんにとってはまだ早いというものは意外と多いもの。テレビやスマートフォンといったメディアもそのひとつです。大人でもついついテレビやスマートフォンで動画を見過ぎて寝不足気味ということもありますよね。健全な生活のため、メディアのコントロールが必要なのは大人も赤ちゃんも同じです。
赤ちゃんの成長に合わせて正しく付き合いしながら、赤ちゃんの目や心身の健全な発達を促すことを心掛けましょう。