ママのおっぱいにしこり……!乳腺炎と乳がんの初期症状の見分け方

授乳中のママのおっぱいにできるしこりの原因として多い、乳腺炎(にゅうせんえん)。
そして、おっぱいにしこりができる原因といえばもうひとつ、「乳がん」があります。
いずれにせよ、おっぱいにしこりができると不安に感じますよね。
そこで今回は、乳腺炎と乳がんの初期症状の違い、それぞれのしこりの違いについて、ピンクリボンアドバイザーの視点から解説します。
乳腺炎の場合も乳がんの場合も、専門機関で見てもらう必要がありますが、しこりにお悩みのママは参考のひとつにしてくださいね。
※ピンクリボンアドバイザーは医師ではありません。
不安を感じている方は必ず、医療機関を受診しましょう。
目次
乳腺炎と乳がんの初期症状の違いって?それぞれどんな症状が出るの?
乳腺炎と乳がんは、「おっぱいにしこりができる」という症状が似ています。
しかし、両者はまったく別の病気。
まずは、乳腺炎・乳がんそれぞれの初期症状や原因についてご説明します。
乳腺炎ってどんな病気?初期症状は?
・乳腺炎とは
乳腺炎とは、ごく簡単にいうと、乳腺が炎症を起こしている状態のこと。
初期段階では、乳腺に母乳(乳汁)が詰まってその部分に炎症が起き(非感染性乳腺炎と呼びます)、その後その部分に細菌が感染すると感染性乳腺炎に発展します。
さらに、感染性乳腺炎が悪化すると、乳腺に膿が溜まることもあります。
・乳腺炎の症状
【非感染性の場合】
非感染性の乳腺炎は、おっぱいに母乳が溜まるといつでも起こりえます。
生後2~3日で症状が出る方も。具体的には次のような症状が出るといわれています。
・しこりができる
・まだら状、筋状に皮膚が赤くなる
・軽い痛みが出る
・微熱が出る(38.4℃以下)
・気分が悪くなる
【感染性の場合】
感染性の乳腺炎は、産後10日以降に突然起こります。
具体的には次のような症状が出るといわれています。
・局所的に腫れる
・感染している部分がカチカチに硬くなる
・皮膚が赤くなる
・強い痛みが出る
・高熱が出る(38.5℃以上)
・悪寒や全身の倦怠感が出る
乳がんってどんな病気?初期症状は?
・乳がんとは
乳がんとは、乳腺に発生する悪性腫瘍のことを指します。
乳がんにかかっている人の数は、女性のがん罹患数のなかで最も多く、国立がん研究センターの「がん統計予測(※1)」によると、2017年の乳がんの罹患数は89,100例・死亡数は14,285人です。
※1 日本のがん統計は、罹患データは4~5年・死亡データは1~2年遅れて公表されます。
そのため、国立がん研究センターによる現時点での2017年のがん統計は、予想データとして発表されています。
・乳がんの症状
乳がんの初期段階では、食欲が減ったり体調が悪くなったりといった全身症状はほとんど見られません。
そのため、早期発見のためには、おっぱいに現れる変化にいち早く気づくことが大切です。
おっぱいに現れる具体的な症状としては、以下が挙げられます。
・しこりができる
・乳首から血液や分泌液が出る
・乳首が陥没する
・皮膚のくぼみが生じる
・おっぱいに痛みが生じる
・脇の下にしこりができる
乳腺炎と乳がんのしこり違いはどうやって見分ける?
乳腺炎と乳がんは、両方ともしこりが発生する可能性があります。
しかし、そのしこりの特徴に違いがあるので、覚えておくと良いでしょう。
【乳腺炎のしこり】
おっぱいが「カチカチ」になる感覚があります。
一概にはいえませんが、乳がんのしこりに比べて広範囲がカチカチになるイメージです。
【乳がんのしこり】
梅干しの種のようなサイズのしこりが、おっぱいを手(中指と人差し指)で抑えたときにゴリゴリっと感じられます。しこりを気にしすぎると、筋肉の部分をしこりのように感じられることもありますが、乳がんのしこりは別物です。
ふだんからセルフケアを心がけていれば、異常に気が付きやすくなります。
このように、乳腺炎と乳がんは初期症状時点から違いが見られます。
しかし、自己診断は危険です。今回ご紹介した初期症状はあくまで一例ですし、ご紹介した項目以外の症状が出る方もいます。病気も、それを治療する医療技術も日々変化しています。
だからこそ、この記事を見て安心せず気になる症状がある場合は、必ず医療機関で診療を受けるようにしましょう。早め早めの受診を心がけて、悪化を防ぎましょう!

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