ディーマーとは?主な症状や軽減する方法を解説

ディーマーは母乳で育てているお母さんが感じることが多い症状です。いったいどのような症状なのでしょうか。今回は、ディーマーの主な症状や軽くする方法を解説します。
ディーマーとは?
ディーマー(D-MER:不快性射乳反射)とは、母乳で育児をしているお母さんに多くみられる症状です。母乳が出る30秒~1分半前に、突然ネガティブな感情が湧き、気分が落ち込むことを指します。
ディーマーの原因やメカニズムは、実は明確に解明されていません。一説によると、授乳時に乳汁を生成するプロラクチンの血中濃度が急激に上昇し、それに伴いドーパミンが低下することが原因で生じるとされています。
授乳という愛情深い行為の際に起こる不快感であるため、愛情不足かもと自分を責めるお母さんもいるかもしれません。しかし、愛情不足や育て方が悪いことが原因で起こるわけではないため、ディーマーの症状が出ても、自分を責めないようにしましょう。
ディーマーの主な症状
ディーマーの主な症状は下記の通りです。
・吐き気
・胃の不快感
・イライラ
・気分の落ち込み
・恐怖
・悲しみ
・絶望感
・否定的な感情
ディーマーは、通常90秒程度で収まります。長くても数分以内に気持ちが落ち着いてくるため、パニックにならず冷静に過ごしましょう。
ディーマーが起こらなくなる時期は人によってさまざまです。産後数か月で落ち着く方もいますが、授乳が必要になる間ずっと続いてしまう方もいます。症状の長さも重さも個人差があるため、人と比べて自分を責めないようにしてくださいね。
また、ディーマーは産後うつといわれることもありますが、まったくの別物です。ディーマーは、ネガティブな感情や不快感が起こっても短時間で元に戻ることや、ディーマーが起こる直前までは普通に過ごしていることが特徴です。
授乳をする直前の瞬間だけ起こる症状であるため、産後うつとは異なります。混同しないように注意しましょう。
ディーマーの症状を軽減する方法
ディーマーの症状は、工夫すればある程度軽減することが可能です。ここでは、ディーマーの症状を軽減する方法を紹介します。
まずは、自分の症状を振り返りましょう。授乳のどのようなタイミングでどのくらいの時間ディーマーが起こるのか、症状はどのようなものが多いのか、記録をつけてみるのもおすすめです。
ディーマーの前後に食べたものや飲んだもの、直前の気分や体調の記録なども合わせてつけてみましょう。そうすると、どのような状況下でディーマーが起きやすいのか見えてくるかもしれません。
また、授乳だけに集中するとディーマーの症状が際立ってしまうおそれもあります。授乳の最初の数分は、授乳から気を逸らすのもおすすめです。食事をしたりテレビを見たり、自分の好きなことをして気を紛らわせてみましょう。
赤ちゃんと向き合うことから距離を置くようで罪悪感があるかもしれませんが、お母さんのメンタルの安定も大切です。自分の症状を振り返り、ディーマーが起きやすい状況を把握したら、リラックスできるよう気を紛らわせる方法を準備しておきましょう。
ストレスはディーマーを引き起こす要因のひとつでもあります。心と体を安定させるためにも、なるべくストレスを解消するように努めましょう。好きなものを食べたり、意識的に気分転換を取り入れたりと、自分の心と体を労わる習慣をつけることも大切です。
水分不足やカフェインの摂り過ぎもディーマーを引き起こしやすいといわれます。子どもの世話に追われて自分の水分補給を忘れがちなので、意識して水分を摂るように心がけましょう。
まとめ
ディーマーは、授乳中に起こる不快な症状です。この症状の多くはホルモンバランスの影響によるものなので、冷静に対処すれば問題ありません。気を紛らわせたり、気分転換を取り入れたりしながら、授乳期を乗り越えましょう。