赤ちゃんのうつぶせ寝はなぜ危険なの?予防策は?

ニュースでもたびたび見かける、赤ちゃんのうつぶせ寝による悲しい事故。
でも、なぜうつぶせ寝が危険なのかきちんとご存知でしょうか?
今回は、赤ちゃんのうつぶせ寝が危険な理由や、事故防止の工夫についてご紹介します。
目次
赤ちゃんのうつぶせ寝のリスク①窒息の恐れがある
まず、赤ちゃんのうつぶせ寝には、窒息のリスクを高めるおそれがあります。赤ちゃんの顔が敷布団や枕・掛け布団・クッションなどに埋まってしまうことが、窒息の原因として考えられています。
特に寝返りを打てない赤ちゃんは、呼吸ができず苦しさを感じても自分ではどうすることもできません。そのため、寝返りを自分で打てるようになるまでは、うつぶせ寝はさせるべきでないといえます。
赤ちゃんのうつぶせ寝のリスク②乳幼児突然死症候群のリスクを高める恐れがある
実は一昔前までは、赤ちゃんはうつぶせ寝にするのがいいとさえ言われていました。これは、「うつぶせの方がよく眠れる」「うつぶせに寝たほうが頭の形がよくなる」という考えがあったからです。
しかし、1980年代後半になってから赤ちゃんのうつぶせ寝と乳幼児突然死症候群との関連性が指摘されるようになりました。
乳幼児突然死症候群とは、何の前触れもなく睡眠中に赤ちゃんが死亡するケースを指します。平成28年度には、乳幼児突然死症候群で109名の赤ちゃんが亡くなっています。乳幼児突然死症候群のはっきりした原因はいまだにわかっていませんが、うつぶせ寝のときに発症率が高まることがさまざまな研究によって判明しています。
【厚生労働省も推奨】生後1歳まではうつぶせ寝をさせないようにしましょう
自分で寝返りを打てるようになれば、息苦しさを感じたら自分で顔を動かしたり体勢を変えたりすることができます。しかし、寝返りが打てないうちは、パパやママが赤ちゃんがうつぶせにならないよう十分に注意する必要があります。
赤ちゃんが自分で寝返りをできるようになるのは、生後7カ月前後。しかし、乳幼児突然死症候群の防止の観点からいえば、1歳になるまではうつぶせで寝かせるのはよいとはいえません。厚生労働省も、1歳になるまでは仰向けで寝かせることを推奨しています。
赤ちゃんの命を守るためにできる3つの工夫
赤ちゃんが自分で寝返りを打てるようになると、睡眠中に自分でうつぶせになっていることがあります。窒息や乳幼児突然死症候群を防ぐために以下の点に注意しましょう。
①ベッドは硬めに、掛け布団は軽めに
弾力性があるやわらかい敷き布団やマットレスに顔をうずめてしまうと、窒息のリスクがあります。敷き布団やマットレス・枕類は、硬めのものを用意しましょう。また、掛け布団は赤ちゃんが自分で払いのけられるよう軽いものにしてください。
②赤ちゃんのまわりにクッションやぬいぐるみなどを置かない
顔をうずめる恐れのあるクッションやぬいぐるみ・タオルなどを、赤ちゃんのベッドに置くのは避けましょう。
なお、赤ちゃんの寝返りを防ぐための「寝返り防止クッション」というアイテムが販売されていますが、こういったアイテムの使用はあまりおすすめできません。このクッションによってうつぶせになるのを予防することは可能ですが、クッション自体が窒息の原因になる恐れがあります。消費者庁からも、寝返り防止クッションの使用には十分注意するよう勧告が出されています。
③寝るときに厚着をさせない
厚着のまま寝かせると、思うように寝返りが打てなくなることがあります。睡眠中に赤ちゃんがうつぶせになり息苦しさを感じたときに、身軽に動けるよう、寝るときはなるべく薄着のほうがいいでしょう。
特に厚着をさせがちな冬場は注意が必要です。防寒着を着たまま寝かせるのはやめましょう。なお、厚着をさせないことで、窒息のリスクを回避できるだけでなく、汗による寝冷えや脱水症状などの予防にもつながります。